11月28日発売の雑誌『MORE』1月号の表紙をHey! Say! JUMPが務めた。本誌にはJUMPのインタビューも掲載されている。質問のひとつに「ホントのホントの素顔は?」というものがある。この質問に薮くんはこう答えている。
前しか向いていないからたまに転んだりケガをしたりする、スーパーポジティブ男です。
こうは言っても薮くんは過去に何度載ったかわからないほど「ライブの前日は本当に明日やれるのかなって不安になる」などと雑誌でこういった発言が取り上げられている。無論、スーパーポジティブ男がやる行動ではない。
仮に薮くんが言うならきっと薮くんはスーパーポジティブ男なのだろう、と納得したとする。でも、今回MOREのインタビューで問われてる「ホントのホントの素顔」にこれが相応しいとは思えない。矛盾した行動をとる時もあるのに、薮くんは「ホントのホントの素顔」としてこの一面を差し出す。ここで出すべき答えじゃない、聞きたかったのはそうじゃない、と思う人もいるかもしれない。それは「ホントのホントの素顔」とは言えない。少なくとも私はそう思った。
などと言う私でも、薮くんに対して嫌な気持ちを抱いているとかでは決して無い。むしろこういう薮くんが好きで好きで仕方ない。一見私が矛盾したことを言ってるように思われるかもしれないが、私はこの薮くんからプロフェッショナルな部分を魅せられている。
長くなってしまったが、ここから本題に入り始める。今回は私が思う薮くんのプロフェッショナルな部分について説明するため、タイトルにもあるように今年読んだ本を紹介したい。
万が一この中で今まさに読もうと思った本だとしたら、粗筋程度とはいえ内容や収録されている解説に触れないとこの記事は成り立たないため、ネタバレに関しては自己責任という形で御願いしたい。
オードリー・ヘップバーン主演で映画化され、そのコスプレをSexy Zoneのマリウス葉くんがハイクオリティーにこなしていたのが記憶に新しい人も少なくないはずだ。
だが内容はそんな華やかでも無かったりする。第二次世界大戦中の社交界でその世界特有の絶えない人の波の中を生きる主人公ホリー。彼女は天真爛漫でどこか放っておけない魅力と性格を兼ね備えていた。それ故ホリーの周囲では危ない事件に巻き込まれることや一歩外に出た世間から偏見の目で見られることも絶えず頻発していた。その渦の中で素振りはそのままでも踠いているホリーに、さらなる辛い出来事が起こる。
訳者の村上春樹氏はこの他人を引きつけるホリーの魅力は作者カポーティの作品の特徴であるイノセンスを表していると解説で指摘している。
イノセンスの意味を挙げると
- 純真
- 純潔
- 無垢
- 無邪気
などがある。
ホリーにはこのような、まるで子供とも取れる純粋さや純真さ、無垢な部分、或いはそれによって生じる夢心地な要素が散りばめられている。魅力的でしかないホリーのイノセンスが社交界の闇や隣人ポールによってどう淘汰され、どう揺れ動くのか、その様がこの本の重要なところだと私も思う。
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- 作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11/27
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話を戻すと、先程述べたイノセンスが私の感じる薮くんのプロフェッショナルな部分を語る上で必要だと感じた要素だ。
アイドルのあるべき姿として「綺麗な部分だけ見せる」というのは絶対である。その綺麗な部分とイノセンスはかなり似ている気がする。スキャンダルが出る度悲鳴があがるのはやはりその事自体に汚れのイメージがあり、ずっと拭えないからであろう。
同じくそのイノセンスに反してしまうものに負のオーラがあると信じて止まない。調べてみたらイノセンスの意味に無邪気というものがあった(先述)。推しや自担が現場で暗い表情を隠しきれないでいたり、弱音を吐いていると誰もがきっといたたまれない気持ちになるたろう。好きなアイドルを自分にとって大切な人同然と思うことは恥ずかしくもあり大袈裟かもしれないが、当然のことのようにも思える。
薮くんはあまり自分から負のオーラを出さない。具合が悪くても事後報告が多い。事後報告でも薮担は少し不安になる。私も然り。
そしておそらく薮担の、ヲタクのこの実態を薮くんは知っている。だから近年の薮くんは弱音を吐く前後で断りを入れる。今年のアリーナツアーのパンフレットでは直前に東日本大震災が起こった2011年春のツアーで涙が止まらない公演があったことを打ち明け、こう続ける。
みんなの思い出に優先順位はつけられないから、本当は何か1つだけ話すことはしたくないんだけど…今回は許して。
薮くんは無邪気じゃない自分、イノセンスを保てていない自分を隠してくれる。アイドルとして綺麗な部分だけを見せてくれる。薮くんがこうすることで、私たちのその瞬間、一瞬の幸福は確約されている。薮くんが薮くん自身のイノセンスを尊重することで、薮くんを応援している人達のイノセンスも保証されるのである。これが私が感じだ薮くんのプロフェッショナルな部分なのである。
本の世界に存在する見えない事物を兼ね備えた薮くんのプロフェッショナルな部分は発表から60年近く経った『ティファニーで朝食を』のように今後も人々を魅了していくに違いない。本を読み、イノセンスに触れる度に、薮くんの偉大さにこれからも気づいていくのだろう。
最後に同じパンフレットの見出しからもう一つ、今年一番薮くんのイノセンスを感じた文章を紹介したいと思う。
どんなときもJUMPを応援してくれた人のために"全部楽しかった"って言いたい